カフェインレスとデカフェの違いとは?ノンカフェインとの区別と選び方を解説
カフェインレスコーヒーとデカフェのコーヒーは何が違うのか、疑問に感じたことはないでしょうか。実はこの2つ、呼び方が違うだけで指しているものは同じです。カフェインを90%以上取り除いたコーヒーは、日本では「カフェインレスコーヒー」とも「デカフェネイテッドコーヒー」とも表示できます。
一方、ノンカフェインは指す対象が異なる言葉です。この記事では、管理栄養士の立場から、3つの言葉の違いとカフェイン含有量の基準、カフェインを抜く製法の種類、妊娠中や授乳中・就寝前などのシーン別の選び方、誤解されやすいポイントまでを順に解説します。
この記事でわかること
- カフェインレスとデカフェは呼び方が違うだけで、同じ基準を指す言葉である
- カフェインを90%以上除いたコーヒーであることがカフェインレス表示の条件になっている
- カフェインを抜く製法には水を使う方式や超臨界二酸化炭素を使う方式があり、仕上がりの香りに差が出る
- 妊娠中と授乳中は1日200mg以下、就寝前は6時間前が量を調整するときの目安になる
- カフェインレスでもカフェインはゼロではなく、コーヒー以外の飲み物や食品からも摂取している
カフェインを控えたい日の飲み物選びに迷ったときは、カフェインをほとんど取り除いた選択肢もあわせて確認してみてください。
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カフェインレスとデカフェの違いはどこにある?
「カフェインレス」と「デカフェ」はどちらも同じものを指す言葉で、「ノンカフェイン」は指す対象が異なります。まずはこの3つの言葉の整理から始めましょう。

| 呼び方 | 指すもの | カフェイン量の考え方 |
|---|---|---|
| カフェインレス | カフェインを含む原料から90%以上取り除いた飲み物 | 最大で1割程度が残る可能性がある |
| デカフェ | カフェインレスと同じ意味で、英語の decaffeinated の略 | カフェインレスと同じ基準 |
| ノンカフェイン | もともとカフェインを含まない原料で作られた飲み物 | 原料に含まれないためゼロが前提 |
カフェインレスもデカフェもカフェインを90%以上除いたコーヒーである
全日本コーヒー公正取引協議会の公正競争規約の施行規則では、カフェインを90%以上除去したコーヒーを「カフェインレスコーヒー」「デカフェネイテッドコーヒー」等と表示する、と定められています。2つの語は同じ表示条件を満たすものとして並記されており、両者を区別する定義はありません。
言葉の成り立ちでいえば、「カフェインレス」は日本で広く使われてきた言い方、「デカフェ」は英語の decaffeinated を短くした言い方です。ネスレ日本も公式の解説で、カフェインレスコーヒーとデカフェコーヒーを「コーヒーのカフェインを90%以上取り除いたもの」と同じ定義で説明しています。
ノンカフェインはカフェインを含まない原料の飲み物を指す
ノンカフェインは、コーヒー豆や茶葉のようにもともとカフェインを含む原料からカフェインを抜いたものではなく、むぎ茶やルイボスティーのようにカフェインを含まない原料で作られた飲み物を指します。味の素AGFも、ノンカフェインを「カフェインを一切含まない」ことを意味する語として、むぎ茶やルイボスティーを例に挙げています。
コーヒー豆はカフェインを含む原料なので、本来コーヒーに「ノンカフェイン」という語は当てはまりません。市販のコーヒー飲料でノンカフェインと表記されているものは、実際にはカフェインレスと同じ意味で使われているケースがほとんどです。ネスレ日本は、カフェインの含有量が0%の場合にのみノンカフェインコーヒーと表記できる一方、基準値のない「カフェインゼロコーヒー」には数mgのカフェインが含まれる可能性があると注意を促しています。
カフェインの含有量を定めた日本の法規制はない
日本には「1日あたり何mgまで」といったカフェインの摂取量に関する法的な基準がありません。農林水産省の資料でも、カフェインの摂取量について明確な基準や固有のガイドラインは示されていません。食品安全委員会は、カフェインは感受性の個人差が大きく健康への影響を正確に評価することが難しいため、一日摂取許容量(ADI)を国際的にも設定していないという立場をとっています。
基準が定められているのは、摂取量ではなく表示のルールです。前述のカフェイン90%以上除去という表示条件に加えて、食品添加物としてカフェインを添加した清涼飲料水には、100mLあたり21mg以上の場合に注意喚起の表示を求める業界のガイドラインがあります。この基準はコーヒーには適用されません。
カフェインを抜く製法にはどんな種類がある?
カフェインレスコーヒーは、焙煎前の生豆の段階でカフェインを取り除いてから焙煎する作り方が一般的です。取り除き方にはいくつかの方式があり、仕上がりの香りや味わいにも違いが表れます。

水抽出法は水に浸してカフェインを溶かし出す
水抽出法は、生豆を水に浸してカフェインを溶かし出し、活性炭などの吸着剤でカフェインを除いた水を再び生豆に戻す方法です。有機溶媒を使わない点が特徴で、1940年代に開発された最初期の方式にあたります。
ただし、カフェインだけでなく香気成分や呈味成分も水に溶け出しやすく、香りや味わいが損なわれやすいという課題があります。近年はこの方式を改良し、コーヒー豆から抽出した成分を含む飽和水溶液を使うことで、香味を保ちながらカフェインを除く製法も広く採用されています。
超臨界二酸化炭素抽出法はカフェインだけを選択的に取り出す
超臨界二酸化炭素抽出法は、二酸化炭素を特殊な状態にして生豆に働きかけ、目的の成分のみを抽出する方法です。1970年代に開発され、二酸化炭素は残留しても毒性を考慮する必要がなく、廃液処理も不要で燃焼性もないという利点があります。一方で、設備が高価であることが欠点です。
カフェイン以外の成分をあまり溶かし出さないため、豆がもともと持つ香りや風味を残しやすいのが特長です。
有機溶媒を使う製法は現在の日本では採用されていない
有機溶媒抽出法は、蒸気で膨らませた生豆に有機溶媒を通してカフェインを抽出する方式で、1900年代初頭に開発された最も古い商業的な方法です。かつてはベンゼン、その後はジクロロメタンや酢酸エチルが使われてきましたが、カフェイン以外の成分の損失が大きく、健康面の懸念も指摘される方式です。
この方式は、現在の日本では使われていません。国内の主要事業者が公表している解説でも、有機溶媒に生豆を直接浸す方法は日本では認められていないとして、採用を見送る方針を示しています。店頭に並ぶカフェインレスコーヒーの多くは、水を使う方式か超臨界二酸化炭素を使う方式で作られています。
製法の違いはコーヒーの味わいに表れる
カフェインを抜く工程では、カフェイン以外の水溶性・脂溶性の成分、とくに香気成分が失われやすいという共通の課題があります。どの方式でも、香りがどこまで残るかが仕上がりの味わいを左右するポイントになります。
また、コーヒーの苦味はカフェインだけによるものではありません。カフェインを除いても苦味がゼロになるわけではなく、焙煎の度合いや豆の特徴が味わいを左右します。製法の名前だけで優劣を決めず、実際に飲んで好みに合うかを確かめるのが確かな選び方です。
カフェインを控えたいときのシーン別の選び方
カフェインを控えるといっても、必要な量やタイミングは立場によって異なります。ここでは、妊娠中・授乳中・就寝前・カフェインに敏感な人という4つの場面に分けて量の目安を整理し、そのうえで日常に取り入れやすい置き換え方も紹介します。

妊娠中は1日200mg以下を目安に考える
妊娠中は、欧州食品安全機関(EFSA)が1日200mg以下、WHOが1日300mg以下という目安を示しています。英国食品基準庁は1日200mg、カナダ保健省は1日300mg未満を目安としており、1日200mg以下を一つの基準として意識すると調整しやすくなります。
コーヒー1杯150mLのカフェインは約90mgですから、200mgはレギュラーコーヒー2杯程度に相当します。日本には妊娠中の方向けの法的な基準値がないため、これらの海外機関の目安を参考にしながら、紅茶や緑茶、チョコレートなども含めた1日の合計で考えることが大切です。
授乳中は量を抑えて飲む時間帯を工夫する
授乳中もEFSAは1日200mg以下を目安としています。米国国立医学図書館のLactMedは、多くの母親にとって1日300〜500mgまでの摂取は差し支えない水準と考えられる一方、欧州の当局は200mgを目安として示していると記載しています。
乳児がカフェインを代謝する力は未熟で、生後3〜5か月ごろに成人と同程度になります。授乳の直前に飲むのを避け、授乳の合間や授乳直後に飲む時間帯を選ぶと、母乳に移行する量を意識しやすくなるでしょう。
就寝前は6時間前を目安に切り上げる
カフェインは就寝のかなり前にとっても睡眠に影響します。Journal of Clinical Sleep Medicineに掲載された研究では、カフェイン400mgを就寝0時間前・3時間前・6時間前に摂取したいずれの場合でも睡眠が乱れ、就寝6時間前の摂取でも総睡眠時間が約41分短くなったことが報告されています。
夕方以降のコーヒーを控えたい場合は、就寝6時間前を一つの区切りにしましょう。22時に就寝する方なら16時ごろが目安になり、それ以降はカフェインレスコーヒーやカフェインを含まない飲み物に切り替える方法があります。
カフェインに敏感な人は自分の体感を基準にする
カフェインの感じ方には大きな個人差があります。食品安全委員会が一日摂取許容量を設定していないのも、感受性の個人差が大きく、健康への影響を正確に評価するのが難しいためです。
カフェインは摂取後30分ほどで血流に入り、数時間かけて体内から減っていきます。代謝の速さには体質が関係するため、夕方に1杯飲んでも平気な人と、昼過ぎの1杯で寝つきが変わる人がいます。就寝前の1杯をカフェインレスに替えたときの変化を試すのが、自分に合った摂取量や飲むタイミングを知る近道です。
1日のうち1〜2杯をカフェインレスに置き換える
1日のコーヒーの回数を減らすのではなく、一部をカフェインレスに置き換える方法なら、コーヒーの時間をそのまま楽しめます。次のような置き換えから始めると続けやすいでしょう。
- 朝はレギュラーコーヒー、午後はカフェインレスコーヒーに切り替える
- 1日に3杯飲むなら、うち1杯をカフェインレスにする
- 夕食後は麦茶やルイボスティーなどカフェインを含まない飲み物にする
- ミルクを入れてゆっくり飲み、満足感を保つ
カフェインを控えている期間は、飲む量をゼロにするよりも、1日の合計量を把握して調整することが現実的です。置き換える杯数をあらかじめ決めておけば、続けながら量をコントロールできます。
カフェインレスでもカフェインがゼロにならない理由
カフェインレスという言葉から「カフェインがまったく入っていない」と受け取られがちですが、実際にはそうとは限りません。ここでは、誤解されやすいポイントを4つ取り上げます。

表示上の除去率はそのまま残存量を表さない
カフェインレスやデカフェは、カフェインがゼロという意味ではありません。日本では「カフェインを90%以上除去したコーヒー」がカフェインレスの表示条件なので、規約の下限を満たすだけなら1割程度のカフェインが残る計算になります。コーヒー1杯150mLを約90mgとすると、除去率90%なら約9mg、99%なら約0.9mgが残る水準です。
海外の商品では「99.9% caffeine free」のようにカフェインの残存量で表示されることがあります。これは残存量が0.1%未満であることを示す表現で、除去率99.9%とは別の指標です。実際、スターバックスは2017年に英語で「99.9% Caffeine free」と表現していた内容を2025年5月30日に訂正し、除去率は94〜97%程度と推定されると公表しています。
コーヒー以外の飲み物にもカフェインは含まれている
カフェインはコーヒーだけに含まれるものではありません。「ほうじ茶は焙煎してあるからカフェインがない」と思われがちですが、茶葉を原料とする飲み物にはカフェインが含まれます。カフェインを含まない原料で作られる麦茶とは、ここが大きく異なります。飲料ごとの含有量は次のとおりです。
- 玉露は100mLあたり160mg
- 紅茶は100mLあたり30mg
- せん茶・ほうじ茶・ウーロン茶は100mLあたり20mg
- 玄米茶は100mLあたり10mg
エナジードリンクにもカフェインは含まれる
コーヒーを控えていても、エナジードリンクやチョコレート、ココア、市販の眠気防止薬、カフェイン含有サプリメントからカフェインを摂っていることがあります。食品安全委員会は、複数の食品から摂取することで摂取量が上乗せされる点に注意を促しています。
- エナジードリンクは100mLあたり32〜300mg(製品1本あたり36〜150mg)
- 市販の眠気防止薬は1回あたり93〜200mg
- カフェイン含有サプリメントは1錠あたり200mgの例がある
とくに眠気防止薬やサプリメントは、1回・1錠あたりのカフェイン量が飲料よりも多くなります。コーヒーの回数を減らしてもカフェインの合計が減っていない場合は、飲み物以外の摂取源を確認してみましょう。
「デカフェは味が落ちる」というイメージは変わりつつある
かつてのカフェイン除去は香味成分が失われやすく、デカフェの味は良くないという評価がありました。現在は製法の改良が進み、香りやコクを保った製品が増えています。
カフェインレスコーヒーを選ぶときは、除去率の数字だけでなく、製法や豆の産地、有機栽培かどうかといった情報も合わせて確認すると、自分の好みに合う一杯を見つけやすくなります。
カフェインを控えたい日に楽しむ「オーガニック カフェインレス ドリップコーヒー グランプロ」

ここまで見てきた選び方のポイントを踏まえて、カフェインを控えたい日に取り入れやすいドリップコーヒーを紹介します。プロラボが扱う「オーガニック カフェインレス ドリップコーヒー グランプロ」の基本の仕様から確認しておきましょう。
- 内容量は64g(8g×8袋)のドリップタイプ
- 原材料は有機コーヒー豆のみ、生豆の生産国はメキシコ
- カフェインカット率は約99.9%(商品ページでの表記)
- 価格は1,426円(税込)、賞味期限は未開封で製造より1年
メキシコ産の有機コーヒー豆を100%使用している
生豆はメキシコ産で、有機JAS認定を取得した豆を100%使用しています。森林農法で育てられた豆を使い、原材料は有機コーヒー豆のみです。挽き方は細挽きで、湯を注いだときに香りが立ち上がりやすい仕様になっています。
開封後は風味が落ちやすいため、早めに飲みきるようにしましょう。直射日光や高温多湿を避けて常温で保存するのが基本です。
マウンテン・ウォーター製法でカフェインを約99.9%カットしている
カフェインの除去には、メキシコのオリサバ山の雪解け水を使ったマウンテン・ウォーター製法を採用しています。化学薬品を一切使用せずにカフェインを取り除く製法で、商品ページではカフェイン約99.9%カットと表記されています。
この製法は水をベースにした方式で、生豆を蒸気で処理したあと、コーヒー豆から抽出した成分を含む飽和水溶液を使ってカフェインを抜き出します。1987年に特許を取得した製法で、97%を超える除去率がうたわれており、有機栽培の認証も取得しています。
ドリップタイプで1杯ずつ手軽に淹れられる
8g入りのドリップバッグが8袋入ったタイプで、1杯ずつ手軽に淹れられるのが特徴です。湯を注ぐだけで抽出できるため、カフェインレスコーヒーを日常の習慣に取り入れやすくなります。
夜のコーヒーの時間をそのまま楽しみたい方、日中に飲む杯数を調整したい方、有機栽培の食品を選びたい方に向いた一杯です。来客時や仕事の合間に、レギュラーコーヒーと飲み分ける使い方もできます。
カフェインを控えながらも、コーヒーの香りと味わいを楽しみたい方は、商品の詳しい情報を確認してみませんか。
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よくある質問
カフェインレスコーヒーについて、よく寄せられる質問をまとめました。

Q. カフェインレスとデカフェはどちらを選べばよいですか?
A. どちらもカフェインを90%以上除いたコーヒーを指す言葉なので、呼び方で選び分ける必要はありません。製法や豆の産地、有機栽培かどうかといった情報を確認して、好みに合うものを選ぶとよいでしょう。
Q. カフェインレスコーヒーを飲めばカフェインはゼロになりますか?
A. ゼロにはなりません。日本ではカフェインを90%以上除いたコーヒーがカフェインレスと表示できるため、最大で1割程度が残る可能性があります。1杯あたりの量は商品によって異なるため、表示を確認しましょう。
Q. カフェインレスコーヒーは1日に何杯まで飲めますか?
A. 日本には法的な上限がないため、決まった杯数はありません。妊娠中は1日200mg以下、授乳中も1日200mg以下が海外機関の目安で、コーヒー1杯150mLは約90mgに相当します。紅茶やチョコレートを含めた1日の合計で調整しましょう。
Q. ほうじ茶や麦茶にもカフェインは含まれますか?
A. 麦茶はカフェインを含まない原料で作られるため含まれません。ほうじ茶は茶葉が原料なので、100mLあたり20mgのカフェインを含み、せん茶やウーロン茶と同程度です。ノンカフェインと表示される飲み物でも、原料まで確認すると選びやすくなります。
Q. デカフェは味が落ちるというイメージがありますが、実際はどうですか?
A. かつての除去処理では香気成分が失われやすかったものの、製法の改良によって香りやコクを保った製品が増えています。水をベースにした製法や超臨界二酸化炭素を使う製法で作られたものを選ぶのも、味わいを重視するときの判断材料になります。
まとめ
カフェインレスとデカフェの違いは呼び方だけで、どちらもカフェインを90%以上除いたコーヒーを指す言葉です。ノンカフェインはカフェインを含まない原料で作られた飲み物を指すため、同じ意味として使うと誤解が生じます。
カフェインを控えたいときは、妊娠中や授乳中は1日200mg以下、就寝前は6時間前といった目安を参考に、1日の合計量を調整しましょう。1日1〜2杯をカフェインレスに置き換えるところから始めれば、コーヒーの時間を楽しみながら取り入れられます。
この記事のまとめ
- ✓カフェインレスとデカフェは同じ基準を指す呼び方の違い
- ✓カフェインを90%以上除いたコーヒーがカフェインレス表示の条件
- ✓製法によって香りや苦味の残り方に差が出る
- ✓妊娠中と授乳中は1日200mg以下、就寝前は6時間前が目安
- ✓まずは1日1〜2杯をカフェインレスに置き換えることから始める
今日の1杯をカフェインレスに替えてみるところから、無理のない範囲で始めてみませんか。




