ファスティング中の頭痛はなぜ起きる?原因と正しい対処方法
ファスティング中には頭痛が起きる、という話を聞いたことはありませんか?
頭痛はファスティング中に起こる好転反応による症状だといわれています。
しかし、実際に頭痛が起きたとき、危険な状態だと思い込んでファスティングを中断してしまう方も少なくありません。
頭痛の症状は好転反応の場合もあれば、異常を知らせるサインということもあるため、冷静に対応することが大切絵です。
そこで今回はファスティングによる頭痛について詳しく解説します。
ファスティング中に起こることが多い頭痛の原因と正しい対処法や予防法などご紹介します。
目次
ファスティング中に起きる頭痛とは?
ファスティング中には頭痛だけでなく、吐き気や倦怠感など様々な症状が起きることがあります。
とくに頭痛が辛いと、病的な頭痛なのかファスティング中の一時的な症状なのかどうか不安になることでしょう。
ファスティング中に起きる頭痛などの症状はいわゆる「好転反応」である可能性があります。
ただ、ファスティング中に起きる頭痛は必ずしも好転反応とは限らないこともあるので注意が必要です。
空腹による低血糖による症状である可能性もあり、そのまま無理に続けると危ない場合もあります。
快適にファスティングを行い、成功させるためにも、頭痛が起きる原因と対処法についてここで確認しておきましょう。
ファスティング中の頭痛の原因
ファスティングによる頭痛はなぜ起きるのでしょうか?
本当に好転反応による症状なのでしょうか?
その原因について確認しておきましょう。
頭痛は好転反応が原因?
好転反応とは、症状が改善する段階で一時的に現れる症状のことで、頭痛だけではなく眠気、倦怠感、かゆみなど様々な症状が他にもあります。
漢方の概念としても使われる言葉ですが、ファスティング中にも体の中の変化が起きることで好転反応が起こることがあります。
好転反応は次の4段階があると言われています。
一段階目 弛緩反応
臓器や細胞から排出された毒素や老廃物が血流にのって全身に運ばれることにより、さまざまな症状が現れる時期です。
体の機能や自律神経が乱れた状態から整った状態へと戻ろうとしていることが原因とも考えられています。
二段階目 過敏反応
老廃物や代謝物が排泄されたことで、体の衰えていた機能が覚醒することによって急性の症状が生じる時期です。
慢性期に入っていた状態から急性期の状態に戻ることで、症状が悪化していると感じることもあります。
三段階目 排泄反応
老廃物の排泄のために排泄機能が活性化する時期です。
さまざまなデトックスが行われ、皮膚からも血液中からも老廃物の排泄が活発になります。
四段階目 回復反応
血流の滞りが改善されて、全身に血流が巡るようになる時期です。
血流が促されることで代謝が高まり、全身の機能や細胞が回復する方向に向かいます。
頭痛の症状はとくにファスティング開始1日目から2日目くらいの時期、また回復反応が出る頃にも起こりやすいと言われています。
個人差があるため時期によって判断することは難しいですが、好転反応の可能性があることを知っておくことが大切です。
まずは、何らかの症状が出たら、好転反応の可能性があるかどうか確認してみましょう。
血糖値の低下によるケトン体の上昇が原因?
空腹による血糖値の変化によって頭痛が起きることもあります。
ファスティングで食事をとらなくなり、血糖値が急に低下すると頭痛が起こることがあるのです。
さらに、血液中の血糖の低下を補うために、血液中にケトン体が大量の放出されることで頭痛や眠気、倦怠感などが起こるとも言われています。
実はこの反応も「好転反応」の一つと見ることもできますが、あまりに症状がひどい場合には危険な低血糖である可能性もあります。
好転反応かどうかの見分け方
では、頭痛が好転反応による症状なのか、それとも危険な低血糖のサインなのかどうか、どのように見極めたら良いのでしょう?
一つの指標となるのは、他にも好転反応の症状が起きているかどうかです。
一方で、頭痛だけが酷い、今までに感じたことがないタイプの痛みである、といった場合には他の原因が考えられます。
さらに、普段から頭痛持ちの方の場合は、空腹時の頭痛を感じやすい傾向があるとの研究報告もあります。
ただし、頭痛の症状によっては原因が何であれ、そのまま無理して続けることが好ましくない場合もあります。
おかしいなと思ったら、早めに適切に対処することが大切です。
頭痛が起きたときの対処法
どんなに準備をしていても、頭痛が起きることはあります。
いざファスティングの途中で頭痛が起きてしまったら、どう対処すれば良いのでしょう。
早く辛い症状を抑えるには、何をすれば良いのでしょうか。
ここでは頭痛が起きた場合の対処法についてご紹介します。
水分を積極的に摂る
好転反応の頭痛である場合には、老廃物の排出を促すことがポイントです。
ただし、冷たいお水は内臓を冷やして血流や代謝も悪くなってしまうため、白湯や常温のお水がおすすめです。
とくに下痢を伴う場合には、水分が普段よりも多めに排泄されています。
一度に大量に飲むのではなく、こまめに水分を補うようにしてください。
半身浴などで汗をかく
体の代謝と排泄を促すという意味でも、半身浴がおすすめです。
ただし、頭痛の症状が出ているときに無理に入浴すると、逆に症状を悪化させる可能性もあります。
頭痛などの症状が落ち着いているときに無理せずに行うことをおすすめします。
睡眠や休息をとる
頭痛や倦怠感が出ているときは、積極的に休息をとって安静に過ごしましょう。
少し部屋を暗くして横になって過ごすと、少しずつ体もリラックスできます。
神経の興奮を落ち着かせることで頭痛が少しずつ和らいでくるはずです。
また、しっかりと睡眠をとることも大事です。
睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌されて、代謝を促してくれます。
栄養ドリンクなどで少量の糖質を摂る
血糖値が下がっていることが原因の場合には、糖質を少量補うと良いでしょう。
ただ、ここで急激に大量の糖質を摂ると血糖値の急上昇から乱降下を起こして、再び頭痛を起こす可能性があります。
人工甘味料や白砂糖ではなくブドウ糖から少量の糖質を補うようにしましょう。
ブドウ糖は栄養ドリンクにも含まれています。
なお、あまりに酷い症状の場合には、無理してファスティングを続けずに、速やかに一度ファスティングを中止してください。
辛いと頭痛薬を飲みたくなるかもしれませんが、空腹時に飲むと胃腸を荒らしてしまう可能性があります。
ファスティングの頭痛を防ぐには?
ファスティング中の頭痛はいくら好転反応とはいっても、なるべく経験したくないものです。
では、頭痛などの不快な症状を最小限に防ぐことはできるのでしょうか?
日頃の生活から取り入れられる対策をご紹介します。
日頃から糖質の摂りすぎに気を付ける
ファスティング中の不快な症状は、日頃の食生活とのギャップが大きいほど強く現れやすくなります。
とくに普段から糖質を多く摂っている方は、その反動が出やすいので注意が必要です。
準備期間を十分に設ける
ファスティングはその前後の食生活のギャップが大きいほど、不快な症状が出やすくなります。
準備期間を設けずに、急激に食事制限を行うのは望ましくありません。
なるべく可能な限り準備期間を作って、少しずつ体を慣らしていく方が安全です。
辛い症状を防ぐためにも十分に準備を行ってから、ファスティングを行うようにしましょう。
栄養ドリンクなどで最低限の栄養を補う
栄養ドリンクにはエネルギー源として必要な糖質の消費を補う酵素が豊富に含まれています。
ミネラルやビタミン、酵素なども含まれているので、栄養の面でもある程度満たされた状態で行うことができます。
もちろん酵素ドリンクを飲んでいても好転反応が起きる可能性はありますが、気持ち的にも安心して取り組むことができるはずです。
お好きな栄養ドリンクを適量を取り入れながら、快適にファスティングを実践してみてください。
快適なファスティングでキレイを目指そう
ファスティングを行うと普段とは違った体の変化に驚くことも多いでしょう。
頭痛や倦怠感などよく起きる症状でも、体調が悪くなるのは辛いものです。
もし体調が悪くなったら、まずは好転反応なのか、危険な症状なのかどうか冷静に判断するようにしましょう。
ただ、自分自身では判断がつかないことも多く、対処法に迷うこともあるはずです。
もちろん、あまりに辛い場合には無理して続けるのではなく、一旦中止するなど適切に対処することが大切です。
ぜひ、快適で安全なファスティングを実践してくださいね。